転倒予防の自宅トレーニング5選|訪問リハビリの作業療法士が教える安全なやり方

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こんにちは、あり大福です😊

「最近つまずくことが増えた」
「ふらつきが気になって、外出がちょっと怖い」
「親に転ばないでいてほしい」

年齢を重ねると、誰にとっても「転ばないこと」は大きなテーマになります。

私は訪問リハビリの作業療法士として、日々高齢の方のご自宅で転倒予防のトレーニングをお手伝いしています。その経験から言えるのは、転倒予防は特別な器具も広い場所もいらないということ。椅子ひとつあれば、今日から自宅で始められます。

この記事では、訪問リハビリの現場で実際に行っている、安全にできる転倒予防トレーニング5つを、やり方のコツと注意点つきでご紹介します。ご自身用にも、親御さんへのサポート用にもお使いください。

この記事でわかること
✔ 転倒が起こる3つの原因
✔ 自宅で安全にできる転倒予防トレーニング5選
✔ 続けるためのコツと、やってはいけない注意点


そもそも、なぜ転ぶのか?転倒の3つの原因

効果的に予防するために、まず「転ぶ理由」を知っておきましょう。転倒の原因は大きく3つに分けられます。

① 筋力の低下
立つ・歩くを支える太もも、お尻、ふくらはぎの筋力が落ちると、ちょっとしたよろけを支えきれなくなります。

② バランス能力の低下
私たちは無意識に体の傾きを感じ取り、立て直しています。この「立て直す力」は年齢とともに衰えますが、トレーニングで維持・改善できる能力でもあります。

③ 環境の問題
床の物、暗い廊下、滑るスリッパ──転倒の多くは、家の中のささいな環境が引き金になります。

▼環境づくりと家族のサポートについてはこちらで詳しく解説しています
高齢の親の筋力低下が心配な方へ|家族ができるサポート(近日公開予定)

この記事では、①筋力と②バランスを鍛えるトレーニングをご紹介します。


始める前に:安全のための3つの約束

転倒予防のトレーニングで転んでしまっては本末転倒です。訪問リハビリでも必ず最初にお伝えする、3つの約束から始めさせてください。

  1. 必ず「つかまれる場所」のそばで行う──安定した椅子の背もたれ、テーブル、手すりなど。「支えなしでできそう」でも、手を添えられる位置で行います
  2. 痛みが出たら中止する──「痛いけどがんばる」は禁物です
  3. 物足りないくらいでやめる──疲れ切るまでやると、その後の動作でふらつきやすくなります

転倒予防の自宅トレーニング5選

① 椅子からの立ち座り運動(足の筋力の土台づくり)

やり方

  1. 安定した椅子に浅めに座り、足を肩幅に開く
  2. 軽くおじぎをするように上体を前に倒しながら、ゆっくり立ち上がる
  3. お尻を後ろに引きながら、ゆっくり座る
  4. まずは5回から。慣れたら10回へ

コツ:「ゆっくり座る」が一番のトレーニングです。ドスンと座らず、3秒かけて座るのを意識してください。

サポートする方へ:立ち上がるときに膝がガクッと内側に入っていないか見てあげてください。内側に入る場合は回数を減らして丁寧に。

② かかと上げ・つま先上げ(つまずかない足首をつくる)

やり方

  1. 椅子の背もたれやテーブルに両手を添えて立つ
  2. かかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろす(10回)
  3. 次に、かかとをつけたまま、つま先をゆっくり上げて下ろす(10回)

コツ:「つま先上げ」は地味に見えて、転倒予防の要です。つまずきの多くは、すねの筋力が落ちてつま先が上がらなくなることで起こります。「何もないところでつまずく」が増えた方には、特にこの運動をおすすめします。

▼すねの筋肉について詳しくはこちら
【膝の痛み④】膝の前が痛い・歩くと痛い方へ。前脛骨筋のほぐし方

③ 片足立ち(バランス能力そのものを鍛える)

やり方

  1. テーブルや手すりに片手(不安な方は両手)を添えて立つ
  2. 片足をゆっくり床から数センチ浮かせる
  3. そのまま10〜30秒キープ。左右2〜3回ずつ

コツ:足を高く上げる必要はまったくありません。床から数センチで十分です。目標は「支えの手を軽くしていくこと」。両手→片手→指1本、と少しずつ進めます。

やってはいけないこと:いきなり支えなしで行うこと。片足立ちはバランス訓練として効果的な分、転倒リスクも一番高い運動です。必ずつかまれる場所で。

④ 横への足踏み(左右のふらつきに強くなる)

やり方

  1. テーブルに両手を添えて立つ
  2. 片足を真横にゆっくり開いて、戻す
  3. 左右10回ずつ

コツ:転倒は前後だけでなく、左右へのよろけでも起こります。お尻の横の筋肉(中臀筋)は左右のふらつきを支える大事な筋肉ですが、日常生活では鍛えにくいため、意識的に動かしてあげる必要があります。

▼中臀筋について詳しくはこちら
【腰痛⑥】お尻横の筋肉(中臀筋)を鍛えると腰痛が改善する!

⑤ その場もも上げ(歩く力を保つ)

やり方

  1. テーブルに片手を添えて立つ
  2. 太ももをゆっくり持ち上げて、ゆっくり下ろす
  3. 左右10回ずつ。立って行うのが不安な方は、椅子に座ったままでもOK

コツ:歩幅が狭くなる・すり足になるのは、ももを持ち上げる筋力(腸腰筋)の低下のサインです。「ゆっくり上げてゆっくり下ろす」方が、速く動かすよりずっと効果的です。


続けるためのコツ:「毎日全部」でなくていい

5つ全部を毎日やろうとすると、たいてい三日坊主になります。訪問リハビリで実際にうまくいっている続け方はこうです。

  • 生活の動作にくっつける:「歯みがきしながらかかと上げ」「お茶を入れるお湯を待つ間に片足立ち」など、毎日必ずやる動作とセットにする
  • 1日1種目でもOK:ゼロの日を作らないことが、全部やることより大事です
  • カレンダーに◯をつける:やった日に◯をつけるだけで、続く確率がぐっと上がります。◯が並ぶのは想像以上にうれしいものです

現場でも「トレーニングの時間」を作るより、生活の中に紛れ込ませた方が続く方が圧倒的に多いです。


こんなときは専門家に相談を

  • すでに転倒したことがある(ケガがなくても)
  • めまいやふらつきが頻繁にある
  • 片足立ちが支えありでも数秒できない
  • 運動すると痛みが出る

こうした場合は、自己流で続ける前に一度専門家に相談することをおすすめします。かかりつけ医のほか、地域包括支援センターでは転倒予防教室や介護予防の運動プログラムを案内してもらえることもあります。介護保険を利用すれば、私たちのような訪問リハビリで、その方の体に合わせたトレーニングを専門職と一緒に行うこともできます。


まとめ:転倒予防は「今日の10回」から

転倒予防のトレーニングをまとめます。

  • ① 立ち座り運動:足の筋力の土台(ゆっくり座るのがコツ)
  • ② かかと上げ・つま先上げ:つまずかない足首づくり
  • ③ 片足立ち:バランス能力を鍛える(必ず支えのそばで)
  • ④ 横への足踏み:左右のふらつき対策
  • ⑤ その場もも上げ:歩く力を保つ

全部でなくて大丈夫。まずは今日、歯みがきのついでに「かかと上げ10回」から始めてみてください。

転ばない体は、1日でできるものではありません。でも、今日の10回はちゃんと積み重なっていきます。

心も体も、大福のようにやわらかく、ふっくらと。
今日もあなたが健やかでありますように🍡

── あり大福


免責事項


本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断・治療を目的としたものではありません。痛みや症状が強い場合、または改善しない場合は、医師や専門家にご相談ください。

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